「カンボジア クロマートラベルガイドブック」
Vol.4 Jul - Sep 2007
カンボジアに捧げる第二の人生
森下秀樹さん
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カンボジアにささげる第二の人生
「若者を育てたい」
一緒に汗を流して
カンボジア伝統菓子の店オープン
森下 秀樹さん
「カンボジアの人びとのために何かをしたい」森下秀樹さん(57)がシェムリアップ市内にカンボジア伝統菓子の製造販売店「カンボジア・ティータイム」を開いて早半年。今や空港やホテルで好調な売り上げを伸ばし、人気土産品の仲間入りをした。
森下さんは愛知県出身。名古屋を中心に展開している自動車関連会社の現役社長だ。菓子作り、カンボジアとは無縁だった森下さんの転機は1992年のイスラエル旅行中に訪れる。担当添乗員の「今までで一番印象の深かった国はカンボジア。カンボジアの人びとは、あんなにひどいことがあったのに、みんなニコニコしている」という言葉が頭を離れなかったという。森下さんはこの言葉を確かめるべく、2006年7月に初めてカンボジアを訪問。物乞いや手足を失った人などにショックを受けながらも、人々の瞳の美しさに感動し、添乗員の言葉が本当であると確信。何か意味のある支援ができないものかと考えた。
あるとき森下さんは、カンボジアで出会った写真家の藤井秀樹さん(72)から「物やお金を与えるだけでは駄目。共に汗を流して本当の自立を支援することが大事」と教えられ、カンボジア伝統菓子「ノム・トム・ムーン」の製造販売を決めた。
「ノム・トム・ムーン」はカンボジアに古くからある菓子で、ロール状の形とほんのり甘いココナッツ風味が特徴だ。市場でも売っているが、衛生上の問題や壊れやすいことなどから土産としては不向きと見られていたが、材料を厳選し、包装にこだわるなどして、外国人にも受け入れられる土産品として売り出すことに成功した。
現在のスタッフは日本語学校の生徒6人、カンボジア人スタッフ14人、日本人サポーター8人。給与制と歩合制を組み合わせて、能力を引き出すように努力したという。
森下さんは言う。「若者は働いて得た収入のほとんどを親兄弟に仕送りしている。これまで日本語学校の月謝$10を払えなかった生徒が目標を持って一生懸命に働いている。若者たちの輝いた目は日本ではなかなか見ることができない。仕事を通してわたし自身が支えられ、癒されています」
「ノム・トム・ムーン」はシェムリアップ市内のホテルや空港などで販売中。また店舗「カンボジア・ティータイム」では実演販売や試食、お茶のサービス等も行っている。
